イベントやキャンプ場から、災害時の避難所まで 仮設トイレ

原始的な排泄行為とトイレ権⑤

たかがトイレ

「形のあるものは全て壊れる」人間の誰もが古代からそういう経験をしてきたはずだ。が、近代都市の生活生命線として形成した上下水道・電気・ガス。セオリーどおり完全に断絶した。

地下埋設物であっても激震が浅い地中物を少しでも破壊すれば遮断し断水する。電柱が倒れ電線が切断されれば停電する。これは当然だ。

「風が吹いて桶屋が儲かる。地震が排泄を阻害する。」

断水・停電が、約125万戸の水洗トイレを広報的に機能マヒさせ、人の排泄行為を阻害した。近代都市・神戸の文化的都会人たちも外国人も誰もがトイレに困窮した。この光景こそ震災なのだ。関東大震災(大正12年9月)でも宮城県沖地震(昭和53年6月)でも体験したトイレ問題。それが都市型災害の大きな特徴の一つと再認識され実証された光景だった。

住家が倒壊してホームレスと化した避難者たち。学校には老人、障害者、女性、子ども、幼児等も多く避難した。

どこの学校も避難所となり避難者は千人、二千人、三千人とみるみるうちに増えていった。広い体育館での雑居生活につづいて、教室での他人同士の生活という短期的だが非日常的な生活を余儀なくされた。

体育館の数少ないトイレでも校舎の各階のトイレでも汚物があふれ女性も子どもも嫌がった。

「こんなところでするの?」

「どうやってするの?私はいいや。」

紙が敷かれただけのポリバケツを前に幼児は母親の顔を見た。

「今のうちに早くしなさい!」叱るように母親が言った。非日常の無理難題が続発する中で、やがて、人々は「トイレ場所」を探しはじめた。その場所は拡大していった。体育館脇のの排水溝やグランド、子どもが遊ぶ砂場へと・・・・・・。

ペーパーの不足、水の不足、囲いのない状態での排泄などのさまざまな制約条件の中で大小便の排泄や生理の処理をすることになった。

この異常なトイレ行為は、救護、清掃、衛星、防疫、健康維持、治安等の復旧生活秩序の形成問題とも直結していた。

「ちびって下着が臭いと皆が嫌がっている。」

「トイレが大変だから水もおにぎりもがまんしよう。」

老人ははた目を気にした。やがて、老人の自殺体が発見されたとの情報がめぐった。

「やっぱ、食事よりトイレが大事や!」

「たかがトイレ」と思っていたが、トイレ騒動は大勢の人々に厄介な精神的負担を強いた。

トイレ問題は、「被災者の生存権」をどのように保障するかという深刻な問題を提起した。

生命・身体・精神・秩序・ゴミなどに関わるトイレ環境の破壊の問題は、被災者の基本的人権問題でもあったのだ。

山下亨著 阪神・淡路大震災と新潟県中越大震災の教訓 「トイレが大変!」災害時にトイレ権をどう保障するかより引用

イクストイレ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

仮設トイレ.com 簡易トイレ.com 簡易トイレ.com アルミブリッジ.com 仮設シャワー・風呂.com NETIS商品.com 建設ブログ"