神戸へのバキューム・トイレの緊急支援⑤
- 2017年01月01日
- 阪神淡路震災でのトイレ大混乱
仮設トイレ設置作業と撤収
支援隊が神戸市内に入ると異常な光景にぶつかった。全ての家屋が倒壊したり傾斜し、ブロック塀や電柱が倒れて道路をふさぎ、道路そのものも多くが損壊していた。大型車が利用できないばかりか、2トン車も使えない状態だ。校庭や公園に仮設トイレを設置しようにも車では搬入できない。
「よしっ。皆で持って運ぼう!」
3、4人が人力で30キログラムの仮設トイレを1台、1台を持ち上げて100メートル以上も運ぶことになった。
バキュームホース数本を繋いで汲取り作業を行うこともあった。
やがて自衛隊が仮設トイレの設営を支援したことから、1月中には全避難所への仮設トイレの設置が完了した。
こうした困難に耐えて、支援隊は、仮設トイレの設置や汲取り作業つづけた。そして、約10日経った1月30日、バキュームによる汲取り処理を兵庫県水質保全センターや地元業者に引き継ぐこととなった。
森朴氏らの環整連のトイレ支援隊は、やがて各地に撤収していった。男たちの意地をかけたトイレ救援は終わった。
山下亨著 阪神・淡路大震災と新潟県中越大震災の教訓 「トイレが大変!」災害時にトイレ権をどう保障するかより引用
写真は、旭ハウス製 仮設トイレ ペダル式洋式軽水洗便槽付 [AUG-FJ+BC37N]
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