神戸市内でのトイレ騒動の終焉
- 2017年01月01日
- 阪神淡路震災でのトイレ大混乱
トイレ問題に関する報道は2月に入ると、新聞や週刊誌に次々と開設付きで報じられるようになっていた。そして、3月に入ると「仮設トイレ一転、約4000基が邪魔者扱いに」と報じる記事も出た。つまり、水道が復旧すると仮設トイレは閉鎖され邪魔者になって撤去しろの声が高まったのだ。
仮設トイレを撤去してくれ
神戸市では、3月上旬に水道が復旧。水洗トイレが使えるようになった。すると、今度は、「仮設トイレを撤去してくれ」という要請が出はじめた。仮設トイレは多方面からの無償提供に頼っていたから提供者は引取りを拒否した。
撤去も返却もうまくいかない。そこで、神戸市は、交通事情の悪い中、要請のあった避難所から順次撤去作業を開始した。
撤去・回収の手順
仮設トイレの撤去・回収の手順はどうだったか?
貯溜型ユニットトイレの場合、まずバキューム車で便槽内のし尿を汲取って一時洗浄。「使用禁止」の張り紐で括り、トラックで回収した。
組立式仮設トイレは、便槽の汲取り掃除を済ませて一ヵ所に集め、幌の覆いやパイプを分解。
鉄は再利用に回し、可燃物は焼却処分をした。
お金がかかった
では、ユニット型仮設トイレ約500基はどこに移転したか?
それらは便槽の汲取り掃除を終えてから、市街地内に適当な収納場所がないため、北区の長尾山に仮置き場をつくり集結保管した。こうした作業費は3000万円以上にのぼったという。
ちなみに、水道や下水道の復旧によって消毒を要するトイレは4月には16ヵ所に大幅に減少。8月末現在では2ヵ所になった。
山下亨著 阪神・淡路大震災と新潟県中越大震災の教訓 「トイレが大変!」災害時にトイレ権をどう保障するかより引用
写真は、ハマネツ製 イクストイレ ポンプ式簡易水洗タイプ 洋式 (給水タンク別途) [TU-iXFUW]
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